(4)遺伝的アルゴリズムを用いた配列分子中の量子過程の最適制御

(注)論文の被引用回数は、2016年7月9日現在のWeb of ScienceTM Core Collectionによるものです。

本研究室では、生物の進化過程を模した遺伝的アルゴリズムを駆使した配列分子中の量子過程の最適制御に関する研究でも先駆的な成果をあげています。まず、フェムト秒パルスの偏光状態が時間とともに変化するパルスを整形・制御する技術を開発し、配列したヨウ素分子の多光子イオン化過程の最適制御に初めて成功しました(Phys. Rev. Lett. 92, 133005 (2004)、被引用回数87回、discussed in News and Views of Nature)。併せて、フェムト秒パルスの偏光状態が指示通りに時間発展するパルスを整形する技術も開発しました(Appl. Opt. 43, 6047 (2004))。その後、2次元イオン画像化装置のイオン画像から評価できる分子の配列度などを最適制御の指標とする技術を初めて開発し、フェムト秒パルスを用いた窒素分子の非断熱的配列制御の最適化にも初めて成功しました(Phys. Rev. Lett. 100, 033603 (2008)、被引用回数32回)。遺伝的アルゴリズムを用いた原子分子中の量子過程の最適制御に関する研究は、最近の研究テーマの多様化・高度化とマンパワーの関係でお休み中ですが、このような実験研究に興味がある人がいれば、再開することも検討します。